コラム
Column
2026/01/15

目の周りのクマには、それぞれ異なる原因と治療法があり、ご自身のクマの種類を正しく判別することが、改善への第一歩となります。
目の下のクマは、大きく分けて「茶クマ」「青クマ」「黒クマ」「赤クマ」の4種類に分類されます。この中で茶クマと呼ばれるものは、シミやくすみと同じように、メラニン色素が皮膚の表皮や真皮といった部分に沈着している状態を指します。目元の周りが茶色っぽく見えるのが特徴です。
それに対し、青クマは睡眠不足や血行不良などが原因で、皮膚の下の毛細血管の血液の色が透けて見える状態。黒クマは、加齢による目元のたるみや脂肪によって影ができている状態です。
「茶クマは、たるみが原因の黒クマと併発しているケースも多く、正しい診断が治療の第一歩です。自己判断だけで終わらせず、専門的な美容皮膚科などで医師の診察を受けることをお勧めします。」

ご自分のクマが色素沈着による茶クマかどうかは、鏡を使って簡単に判別することができます。
まず、下まぶたを指で軽く引っ張ってみてください。もしクマの色が薄くならない、または消えない場合は、色素沈着による茶クマである可能性が高いです。これは、皮膚自体にメラニンが沈着しているため、血流やたるみの影響を受けないためです。
次に、上を向いて鏡を見てください。上を向いてもクマの濃さが変化しない場合も茶クマと判断できます。一方、上を向くことで影が薄くなるなら黒クマ、色が薄くなるなら青クマの可能性があります。写真やイラストでご自身の目元と比較し、ご自身のクマの種類を確認しましょう。
茶クマを改善するためには、まずその原因となる日常の習慣を知り、刺激を避けることが不可欠です。目元の皮膚は体の中でも特に薄いため、わずかなダメージでも色素沈着につながりやすいのです。

色素沈着の原因として最も多いのが、目元への摩擦や刺激です。具体的には、クレンジングや洗顔でゴシゴシこする習慣や、花粉症やアトピーで目元を強く掻いてしまう行為が挙げられます。また、良かれと思って行っているマッサージも、皮膚への刺激となり、メラニン色素の生成を促進し、色素沈着を引き起こす可能性があります。
皮膚が薄い目元は、紫外線の影響を非常に受けやすい部位です。紫外線を浴びると、肌を守ろうとしてメラニン色素が過剰に生成され、色素沈着の原因となります。
日焼け止めを目元まで塗らない、サングラスやUVカット機能のあるメガネを使わないといった習慣は、目元にダメージを与え続けていることになります。紫外線は季節や天候に関係なく肌に刺激を与えるため、茶クマ改善のためには日焼け止めによる対策が不可欠です。
「クマの悪化が心配でサングラスをかけ始めたら、以前より色素沈着が落ち着いた気がする」といったユーザーの声は多く、紫外線対策の重要性を裏付けています。
皮膚には、一定の周期で生まれ変わり古い角質やメラニンを排出する機能があります。しかし、睡眠不足やストレス、乾燥などによる生活習慣の乱れは、この機能を低下させてしまいます。
ターンオーバーが乱れると、紫外線や摩擦で生成されたメラニンが排出されずに皮膚内に蓄積し、色素沈着として茶クマが濃くなってしまいます。
「肌のターンオーバーを正常化させることが、色素沈着を根本から改善する鍵となります。十分な睡眠と栄養を摂るとともに、ストレスを溜めない生活を心がける必要があります。」

色素沈着による茶クマを改善するためには、原因となる摩擦や紫外線を徹底的に避けるとともに、メラニンの排出を促すスキンケアを取り入れる必要があります。ここでは、自宅でできる改善方法を解説します。
色素沈着に効果的な美白有効成分を毎日のケアに取り入れることで、メラニンの生成を抑え、排出をサポートします。
特に茶クマの改善に効果的とされる成分には、ハイドロキノン、ビタミンC誘導体、トラネキサム酸などがあります。ハイドロキノンは「肌の漂白剤」とも呼ばれ、メラニンを生成する細胞の働きを抑制する効果が高いことで知られています。ビタミンC誘導体はメラニン生成の抑制と、すでに沈着したメラニンを薄くする還元作用が期待できます。また、トラネキサム酸は炎症によるメラニン生成をブロックする作用があります。これらの成分が配合された美白化粧品を目元部分に優しく馴染ませましょう。
「皮膚科や美容皮膚科で処方されるトレチノインや高濃度ハイドロキノンなどの医療用外用薬は、市販の化粧品よりも高い効果が期待できます。ただし、刺激が強いため、医師の診察を受け、用法・容量を守って使用する必要があります。」
美白ケアの効果を最大限に高めるためには、土台となる肌の状態を整えることが不可欠です。
まず、徹底した保湿によって肌のバリア機能を高め、ターンオーバーを正常化させることが重要です。乾燥は肌の機能を低下させ、色素沈着を悪化させる原因となります。セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が豊富なクリームやアイクリームを使い、目元を優しく保護しましょう。
次に、日々の紫外線対策です。茶クマ改善のためのセルフケアは、新しい色素沈着を作らないことが最も重要です。日焼け止めは毎日、目元まで塗り、SPFとPAの値を確認して目的に合ったものを選びましょう。たとえば、日常使いはSPF30/PA+++程度、屋外での活動が多い場合はSPF50+/PA++++を選ぶなど、生活環境に合わせた対策をすることが色素沈着をさせない肌作りにつながります。
セルフケアを数週間〜数ヶ月続けてもなかなか改善しない色素沈着に対しては、美容皮膚科やクリニックでの医療治療が最も効果的で確実な方法となります。医師の診察に基づき、茶クマの種類や症状の程度に合わせて最適な治療法が提案されます。

色素沈着の治療において、レーザー治療は中心的な施術の一つです。特に目元の茶クマに対しては、「ピコレーザートーニング」などが採用されることが多くあります。
この施術は、非常に短時間のパルス幅でレーザーを照射し、皮膚に沈着したメラニン色素を細かく破壊し、ターンオーバーを促す方法です。ピコレーザーは従来のレーザーよりも肌へのダメージが少ないため、ダウンタイムがほとんどなく、目元の薄い皮膚にも安心して施術を受けることが可能です。効果を実感するためには、数週間おきに複数回の照射が必要となります。
レーザー治療と並行して、または単独で、内側から色素沈着にアプローチする内服薬や高濃度外用薬が医師から処方されるケースが多くあります。
内服薬としては、メラニン生成を抑えるトラネキサム酸や、肌の新陳代謝を促進し美白効果の高いビタミンC(シナールなど)が代表的です。これらの内服薬は、目元部分だけでなく肌全体のトーンアップにも効果が期待できます。外用薬では、第3章でも触れた高濃度ハイドロキノンクリームが、強力な漂白作用で沈着した色素を薄くする目的で処方されます。
医療治療は効果的ですが、いくつかのリスクとダウンタイムを伴うことがあります。
レーザー治療直後は、照射部分に一時的な赤みや乾燥が生じる可能性があります。稀に、炎症が強く出た後に、一時的に色素沈着が濃くなる炎症後色素沈着という副作用が起こるリスクもゼロではありません。
そのため、治療後の徹底したアフターケアが非常に重要です。クリニックから指示された通りに保湿クリームを使い、特に紫外線対策は欠かさず行う必要があります。紫外線は再発の原因となるだけでなく、炎症を悪化させ、色素沈着を引き起こす可能性があるからです。

美容医療を検討する際に気になる点の一つが料金です。色素沈着の治療は自由診療となるため、クリニックによって価格設定が異なります。
茶クマの治療にかかる費用は、主に施術方法や回数によって大きく変動します。
| 治療方法 | 料金の目安 | 施術の特徴 |
| レーザートーニング | 1回あたり 10,000 円〜30,000 円 | メラニンを破壊・排出。複数回の施術が必要。 |
| 内服薬(トラネキサム酸等) | 1ヶ月あたり 3,000 円〜8,000 円 | 内側から色素の生成を抑制。継続が必要。 |
| 高濃度ハイドロキノン外用薬 | 1本あたり 3,000 円〜5,000 円 | 強力な美白効果。医師の指示が必要。 |
レーザートーニングは、通常5回や10回といったコース料金が用意されている場合が多く、1回あたりの価格が割安になる傾向があります。
注意点として、色素沈着による茶クマだけでなく、たるみによる黒クマを併発している場合は、レーザー治療だけでは根本的な改善が難しいことがあります。
この場合、黒クマの原因である下まぶたの余分な脂肪を除去する脱脂術や、凹みにヒアルロン酸注入や脂肪注入を行う施術が別途必要となります。これらの外科治療や注入治療は高額になるため、総額費用は大きく変動します。
「総額費用は、クマの種類と重症度によって大きく変動するため、必ずカウンセリングで医師に正しい診断を受け、脱脂や脂肪注入を含めた見積もりを確認してください。」
結論から言えば、色素沈着による茶クマはマッサージでは治りません。マッサージは、血行不良が原因の青クマの血流改善には効果的ですが、色素沈着に対しては無意味です。
むしろ、目元の皮膚を強くこする摩擦によって、メラニン生成が促進され、色素沈着を悪化させるリスクが非常に高いです。茶クマの改善目的でマッサージを行うことは絶対にやめましょう。
「色素沈着の改善目的でのマッサージは、医学的観点から推奨できません。優しく保湿ケアを行い、摩擦を徹底的に避けることが重要です。」
美容医療で色素沈着が改善し、きれいな状態になっても、生活習慣が変わらなければ再発するリスクはあります。茶クマの原因である「摩擦」や「紫外線」を避ける生活を怠ると、メラニンは再度沈着してしまいます。
治療後も、日焼け止めの使用や保湿ケアを徹底し、色素沈着を作らせない正しいセルフケアを継続することが重要です。クリニックで処方された美白有効成分の外用薬や内服薬を、医師の指示に従って予防的に継続する方法もあります。
「レーザー治療後も、日焼け止めと保湿だけは徹底することで、きれいな状態を長期間キープできています。」
茶クマと呼ばれる目の下の色素沈着は、目元への摩擦や紫外線ダメージ、ターンオーバーの乱れといった様々な原因が絡み合って発生します。
改善への最短ルートは、自己判断を避け、美容皮膚科で医師の診察を受けることです。茶クマは、マッサージや血行改善ケアでは効果がなく、かえって摩擦で悪化するリスクが高いため、原因を特定した上で、専門的な医療治療と正しいスキンケアを組み合わせる必要があります。
あなたのクマの種類と重症度に合わせた最適な治療法を医師に提案してもらい、長年の悩みから卒業しましょう。

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