コラム
Column
2026/01/14
目の下にできてしまう「クマ」は、多くの方が抱える深刻な美容の悩みの一つです。毎朝鏡を見るたびに、そのクマが疲れた印象を与えてしまい、「しっかり寝ているのに消えない」「コンシーラーでカバーしても夕方には浮いてくる」と感じている方も多いでしょう。しかし、そのクマの色と原因を正しく判別できているでしょうか。
実は、クマには青クマ、茶クマ、黒クマ、赤クマという4つの種類があり、色が違えばその原因も対策もまったく異なります。たとえば、色素沈着が原因の茶クマに対して、血行不良を改善するためのマッサージを熱心に行っても、期待する効果は得られません。
本記事では、美容皮膚科や美容外科の専門医の知見を元に、あなたのクマの色を判別する方法から、原因別の具体的なセルフケア、そして自力での改善が難しい場合の治療法までを徹底解説します。

クマの色は、あなたの目元の皮膚の下で何が起こっているかを映し出します。正しい対策をとるためには、まず自分のクマがどの種類に該当するかを正確に知る必要があります。ここでは、クマの種類と主な原因、特徴を分かりやすく表で解説します。
| クマの種類 | 主な色 | 主な原因 | 特徴と改善のポイント |
| 青クマ | 青色・紫色 | 血行不良 | 目元の周りの血流が悪くなることで、静脈の色が透けて見える状態。温めやマッサージで改善の余地があります。 |
| 茶クマ | 茶色・薄茶色 | 色素沈着 | 摩擦や紫外線への対策不足により、メラニン色素が皮膚に蓄積。美白スキンケアやレーザー治療が必要です。 |
| 黒クマ | 黒色・影色 | たるみ・凹凸 | 加齢などによる皮膚や脂肪のたるみが作る物理的な影。セルフケアには限界があり、脱脂やヒアルロン酸注入などの治療法が中心になります。 |
| 赤クマ | 赤色・ピンク色 | 眼輪筋の赤み | 皮膚が非常に薄く、その下にある眼輪筋(目元の筋肉)や結膜の赤みが透けている状態。刺激を避けた「守りのケア」が重要です。 |
「クマの色は体内の状態を映す鏡です。色を正しく判別することが、原因を見極め、適切な対策をとるための最初のステップになります。」

自分のクマの種類を特定するために、特別な時間をかける必要はありません。ご自宅の鏡の前で簡単にできる以下の2つの方法を試してみましょう。
まず、下まぶたのクマのある部分を、指でそっと下に軽く引っ張ってみてください。この時、色が薄くなれば青クマの可能性が高いです。血流が悪くなっていた部分が引き伸ばされることで、透けにくくなるためです。反対に、色の濃さが変わらない場合は、皮膚自体にメラニン色素が沈着している茶クマの可能性が高いと判別できます。
次に、鏡を顔の正面に置き、少し上を向いてみましょう。目元に意識を集中させ、影(黒い部分)が薄くなる、または消える場合は、黒クマの可能性が高いです。上を向くことでたるみが重力で引っ張られ、凹凸の影が一時的に薄くなるからです。影に変化がない場合は、黒クマ以外の可能性が高いと考えられます。
これらの簡単な動作で、あなたのクマが「色素沈着(茶クマ)」なのか「血行不良(青クマ)」なのか、「たるみ(黒クマ)」なのかを判別し、適切な対策へと進むことができます。
青クマの原因は、目元の血流が滞る血行不良です。特にPC作業などで目元に負担がかかっている方は、血流が悪くなり青クマの症状が悪化しやすい可能性があります。
改善には、血流を促進させる方法が効果的です。目元の周りには、血流を改善するツボが集中しているため、優しいマッサージやツボ押しを日常に取り入れましょう。目頭のくぼみや目の下の骨に沿って、指の腹でそっとタッピング(軽く叩く)したり、こめかみを円を描くように優しくマッサージしたりする方法がお勧めです。また、温かいタオルと冷たいタオルを交互に目元に当てる温冷ケアも、血流のポンプ効果を高めるのに役立ちます。
ただし、目元の皮膚は非常に薄いため、決して力を入れすぎたり、摩擦を与えたりしないよう注意してください。

茶クマは、目元の皮膚にメラニン色素が過剰に蓄積した色素沈着が原因です。シミと同じように、一度沈着した色素を改善するには時間がかかりますが、日々のスキンケアと生活習慣の対策で予防と改善が期待できます。
まず、最大の原因である摩擦を徹底的に避けることが重要です。クレンジングや洗顔時に皮膚をこすらないよう、アイメイクは専用のリムーバーで優しく浮かせて落としましょう。また、スキンケア製品を塗る際も、指の腹で摩擦を与えず、抑えるように馴染ませる方法を意識します。
色素沈着を薄くするためには、メラニン色素の生成を抑え、排出を促進する成分が配合されたスキンケア製品を選びましょう。ビタミンC誘導体やトラネキサム酸などが効果的です。特に濃い色素沈着にはハイドロキノンが効果的ですが、刺激が強いため医師の指示のもとでの使用を検討してください。また、紫外線は色素沈着を悪化させるため、目元の周りまでしっかり日焼け止めを塗り、UV対策を徹底することが必要です。
「アイメイクを落とす時にこするのをやめたら、長年の茶クマの色が少し薄くなってきた。」
黒クマは、加齢による目元の皮膚のたるみや、眼窩脂肪が前に突出することでできる凹凸の影が正体です。この物理的な影はスキンケアやマッサージでの改善が非常に難しく、セルフケアには限界があります。
ただし、黒クマの悪化を予防するために、目元の筋肉である眼輪筋を鍛える方法は有効です。眼輪筋トレーニングとして、目を大きく見開いて5秒キープし、次に目を強く閉じて5秒キープするという動作を繰り返すことで、筋肉の衰えを遅らせる効果が期待できます。
「黒クマに対するマッサージは、皮膚を伸ばしてたるみを悪化させる可能性があるため、絶対に行わないでください。凹凸の原因は脂肪の突出なので、根本的な改善には美容外科での治療が必要になります。」
赤クマは、目元の皮膚が薄いために、眼輪筋や血管の赤みが透けている状態、あるいは炎症によって赤みが増している状態です。
改善には、皮膚のバリア機能を高める「守りのケア」が重要になります。セラミドやヒアルロン酸などの高保湿成分を配合したアイクリームで、皮膚の水分を保持し、バリア機能を強化しましょう。皮膚が薄く敏感な部分なので、アルコールフリーや無香料の低刺激性の製品を選び、塗布時は摩擦を避け、優しく抑えるように馴染ませることを徹底してください。赤みが強い場合は、結膜の症状の可能性もあるため、眼科や美容皮膚科への相談も検討するのが賢明です。

クマを効果的にカバーするには、コンシーラーの色選びが成功の鍵を握ります。クマの色の反対色(補色)を選ぶ方法は、色同士を打ち消し合わせるため、目元の印象を均一に整えるのに非常に効果的です。
青クマには、その青みを打ち消すために、赤色や黄色系のオレンジ系やサーモンピンクのコンシーラーがお勧めです。茶クマの色素沈着の色をカバーするには、肌色と馴染みやすいイエロー系やベージュ系のコンシーラーが有効です。また、黒クマのように影が原因の場合は、凹凸を光で飛ばす効果を狙い、肌色よりワントーン明るめのイエロー〜オークル系の色を選ぶと良いでしょう。
コンシーラーを使用する際は、クマの色が一番濃い部分にのみ塗り、指やブラシで優しくトントンと叩き込みながら、境目を丁寧にぼかしていく方法が重要です。厚塗りをすると、かえって凹凸が目立ったり、時間が経つとメイク崩れを起こしたりする可能性があるため、薄めにつけること意識してください。
セルフケアやメイクでのカバーを続けても、クマの改善がなかなか見られない場合、それは皮膚や脂肪の構造的な問題、あるいは濃い色素沈着が原因である可能性が高いです。このような場合は、美容外科や美容皮膚科での治療法を検討することが、根本的な改善への近道となります。専門医に相談し、自分に合った治療方法を知る必要があります。

黒クマは、加齢などにより目の下の眼窩脂肪が前に突出し、涙袋の下にできる凹凸の影が原因です。この脂肪による膨らみは、スキンケアでは改善できないため、治療法は主に以下の手術や注入治療が中心となります。
脱脂術(経結膜脱脂法) これは、下まぶたの裏側から突出した脂肪を除去する方法です。皮膚を切開しないため傷跡が残らず、膨らみそのものを解消することで、黒クマの影を根本からなくす効果が期待できる治療法です。
裏ハムラ法(経結膜ハムラ法) 脱脂だけでなく、突出した脂肪を凹凸のくぼみへ移動させて平らにする方法です。凹凸が大きく、くぼみも深い場合に効果的で、より自然な目元の凹凸の改善を目指します。
ヒアルロン酸注入 脂肪の突出による影というよりも、目の下のくぼみが主原因となっている場合に適した治療法です。くぼみの部分にヒアルロン酸を注入することで、凹凸をなだらかにし、影を目立たなくする効果があります。
脱脂術は、黒クマの原因である眼窩脂肪の膨らみを除去することで、正面から見たときの目元の印象を劇的に改善する治療法です。写真で術前と比較すると、影が消えているのがわかります。
色素沈着や血行不良が原因のクマに対しては、皮膚への負担を抑えた美容皮膚科的な治療法が検討されます。
茶クマの原因であるメラニン色素を分解・除去するために、「ピコトーニング」などの低出力レーザー治療が用いられます。レーザーを繰り返し施術することで、皮膚に蓄積した色素沈着を徐々に薄くしていく方法です。同時に、医師の監修のもとでハイドロキノンなどの美白外用薬を併用することも効果的です。
青クマの原因である血行不良に対し、血流を促進させる効果を持つ薬剤を注入する治療法が検討されることがあります。注射によって目元の周りの血流を改善させ、青紫の色味を薄くする効果を狙うものです。この治療法はダウンタイムも比較的短く、忙しい方にもお勧めできます。

クマの治療方法は、医療保険適用外の自由診療となるため、クリニックや医師の技術、使用する薬剤などによって価格に大きな差が出ます。
例えば、脱脂術や裏ハムラ法といった美容外科的な整形手術は、麻酔代やダウンタイム中の内服薬代などを含めると、総額で30万円を超えることが一般的です。一方、美容皮膚科で行うレーザー治療やヒアルロン酸注入は、手術よりも価格は抑えられますが、改善のために複数回の施術が必要となる可能性もあります。
カウンセリング時には、提示された価格が施術の総額なのか、麻酔代やアフターケア代が含まれているのかを細かく確認し、追加費用が発生しないか必ず確認しておきましょう。費用やダウンタイムの時間を事前にしっかり把握しておきましょう。
クマ治療は、目元というデリケートな部分への施術です。手術や注入に伴う副作用やリスクとして、内出血、腫れ、感染、凹凸などが挙げられます。これらの症状は通常は一時的ですが、万が一に備えて、アフターケアや保証体制が整っているクリニックを選ぶことの重要性は非常に高いです。
医師が日本形成外科学会や日本美容外科学会などの専門医であるか、カウンセリング時間が十分に確保されているか、症状や原因を丁寧に判別し、治療法のメリットだけでなくリスクについても正直に解説してくれるかなど、慎重にクリニックを選ぶ必要があります。
この記事では、クマの種類とその色が示す原因、そしてそれぞれのタイプに合わせたセルフケアから美容医療までを詳しく解説しました。
クマは単なる疲れのサインではなく、血行不良、色素沈着、たるみといった異なる原因が複雑に絡み合って生じています。改善への最短ルートは、まず自分のクマの色を正確に判別し、その原因を知ることです。
セルフケアを続けても改善が見られない場合は、黒クマのように脂肪の膨らみといった構造的な原因が隠れている可能性があります。専門医によるカウンセリングを受け、あなたの症状に最も適した治療法を見つけることが、長年のクマの悩みを解消し、明るい印象を取り戻すための第一歩となります。
当院では、予約制で目元の専門医による診療を行っております。クマの種類や治療方法について疑問があれば、ぜひ一度ご相談ください。

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