コラム
Column
2026/02/24
「鏡を見るたびに、目の周りがどんより暗くて疲れて見える…」
そんなお悩みの原因は、実は単なる寝不足ではないかもしれません。目の下の黒ずみにはいくつかの種類がありますが、その中でも「色素沈着」が原因で起こるものを一般的に「茶クマ」と呼びます。
まずは、自分のクマが本当に茶クマなのか、その正体と原因を正しく理解することから始めましょう。

目の下のクマは、大きく分けて「青クマ」「黒クマ」「茶クマ」の3種類に分類されます。
茶クマは、いわば「小さなシミの集合体」のようなもの。目元の皮膚は非常に薄く、わずか0.02mmほど(ゆで卵の膜程度)の厚さしかありません。そのため、一度ダメージを受けてメラニンが過剰に生成されると、非常に目立ちやすくなります。
【医師からのコメント】
「茶クマは一度肌の深部に定着してしまうと、通常のターンオーバー(肌の生まれ変わり)だけでは排出に長い時間がかかります。改善には、メラニンを抑制するだけでなく、既にできてしまった色を薄くする『還元作用』を持つハイドロキノンのような成分が必要不可欠です。」

なぜ、目の周りだけが茶色くくすんでしまうのでしょうか?そこには、私たちが無意識に行っている「日常のNG習慣」が深く関わっています。

茶クマを改善するための「特効薬」として、美容皮膚科やスキンケア界で長年注目されているのがハイドロキノンです。
ハイドロキノンは、「肌の漂白剤」という異名を持つほど強力な美白効果を持つ成分です。その働きは、大きく分けて2つあります。
ハイドロキノンは茶クマだけでなく、肝斑(かんぱん)やそばかす、ニキビ跡の色素沈着など、あらゆる「色」の悩みに有効です。
| 成分名 | 美白の仕組み | 効果の強さ |
| ハイドロキノン | メラニン生成阻害 + 還元作用 | 非常に高い(最強) |
| アルブチン | メラニン生成を抑える(予防) | 穏やか |
| ビタミンC誘導体 | 抗酸化・還元作用・皮脂抑制 | 中程度 |
「アルブチンやビタミンC誘導体も優れた成分ですが、ハイドロキノンのパワーは別格です。メラニンを作る各段階をピンポイントでブロックするため、医療現場では『最強の美白剤』として第一に選ばれます。ただし、その分、使用方法には注意が必要です。」

ハイドロキノンは非常に効果が高い反面、使い方を誤ると赤みや刺激などのトラブルを招く恐れがあります。特に皮膚の薄い目元に使用する場合は、以下のステップを必ず守りましょう。
ハイドロキノンは「いつ、どう塗るか」で効果と安全性が決まります。
【塗り方のコツ】
ハイドロキノンを指で塗り広げると、問題のない周囲の皮膚まで白くなってしまったり、刺激を感じたりすることがあります。
筆者のおすすめは、綿棒の先に少量を取り、茶クマが気になる部分にトントンと置くようにのせる「ピンポイント塗り」です。これにより、目の中に入るリスクを減らしつつ、必要な箇所にだけ成分を届けることができます。
ハイドロキノンを使用する際は、「夜のみの使用」を強く推奨します。
その理由は、ハイドロキノンが非常に不安定な成分であり、紫外線や熱に弱いからです。ハイドロキノンを塗った状態で強い日光を浴びると、かえってシミが濃くなったり肝斑の悪化や、炎症を引き起こしたりするリスクがあります。
【医師推奨:目元専用の日焼け止めの選び方】
ハイドロキノン使用中の目元は、普段以上に敏感になっています。日焼け止めは「紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)」かつ「低刺激」なものを選びましょう。石鹸で落ちるタイプであれば、クレンジング時の摩擦も軽減できます。
「早く茶クマを消したい!」と焦る気持ちは分かりますが、いきなり目の周りに塗るのは大変危険です。目元は腕の皮膚の数倍も薄く、反応が出やすいためです。
【パッチテストの手順】
もし異常が出た場合は、使用を中止し、医師に相談してください。
ハイドロキノンを手に入れる方法は、大きく分けて「ドラッグストアや通販での購入」と「皮膚科での処方」の2通りがあります。
ハイドロキノン単体でも優れた美白効果を発揮しますが、美容皮膚科の現場で推奨されているのが、ビタミンA(レチノール・トレチノイン)との併用です。
レチノール(ビタミンA)は、肌のターンオーバー(細胞の生まれ変わり)を促進する働きがあります。一方、ハイドロキノンはメラニン生成を抑える成分です。これらを同時に使うことで、以下のような相乗効果が期待できます。
【医師のコメント】 「レチノールで古い角質をケアし、ハイドロキノンで新しいシミを作らせないというサイクルを作ることで、単体使用よりも早く、かつ効率的に茶クマの改善を目指すことができます。目元のハリや小じわ対策にもなるため、一石二鳥のアプローチです。」
より深刻な色素沈着には、レチノールの約50倍〜100倍の生理活性を持つ「トレチノイン(ビタミンA誘導体)」が用いられることがあります。これは一般に「東大式トレチノイン・ハイドロキノン療法」などと呼ばれる、非常に強力な治療法です。
短期間で大きな変化が期待できる一方で、皮剥けや赤みが強く出るため、必ず医師の厳密な指導と処方のもとで行う必要があります。
効果が高い反面、刺激も強くなるのが併用療法の注意点です。
「魔法の美白剤」とも呼ばれるハイドロキノンですが、リスクを知らずに使うのは禁物です。特にデリケートな目元に使うからこそ、安全性を最優先しましょう。
ハイドロキノンを使用して数日以内に、塗った部分に赤みや軽いかゆみ、ヒリヒリとした刺激感が出ることがあります。
最も注意すべき副作用が、肌の一部が白く抜けてしまう「白斑」です。これは5%以上の高濃度ハイドロキノンを長期間、無計画に使用し続けた場合に起こるリスクが指摘されています。
以下に該当する方は、ハイドロキノンの使用を控えるか、必ず事前に専門医へ相談してください。
「パッチテストで赤くなってしまった」「どうしても刺激が怖い」という方も諦める必要はありません。ハイドロキノン以外にも、目元の色素沈着に有効なアプローチは存在します。

セルフケアを数ヶ月続けても変化が見られない、あるいは長年蓄積された頑固な茶クマには、美容皮膚科での治療を検討しましょう。
医療機関では、セルフケアでは届かない肌の深部へアプローチする施術が可能です。
【治療経験者のリアルな声】 「ハイドロキノンを3ヶ月塗って薄くなったな、と感じていましたが、思い切ってレーザー治療を受けたら、1回で顔全体の印象がパッと明るくなりました。併用することで、維持もしやすくなりました。」
自己判断でのケアは、時に症状を悪化させてしまうこともあります。 「これって茶クマ?それとも別の病気?」「ハイドロキノンで赤みが出てしまったけれど、どうすればいい?」 そんな不安を抱えている方は、ぜひ一度当院へご相談ください。専門医がお肌の状態を診察し、あなたに最適な治療プランをご提案いたします。当院では、日常使いしやすいハイドロキノンが配合されているアイクリームの取り扱いをおこなっています。
最後に、読者の皆様から寄せられる疑問にお答えします。
Q. 目のキワまで塗っても大丈夫? A. 目の中に入ると非常に危険です。粘膜ギリギリは避け、骨がある「アイホール」の範囲内までにとどめてください。

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